駆け抜ける

 

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あなたが好きなあなたに似たキャラクターのマグカップをたまたま出先で見つけ包装して貰ったあと、駆け込んだ雑貨屋で小さな封筒とカードを買って"今年の夏は楽しかった"と記したら鼻で笑ったあなた

憎まれ口叩きながらもマグカップを使ってくれているあなた

換気扇の下で燻らすぼくのタバコ

あまりにも殺風景な冷蔵庫に冷えた缶ビールたちと豆板醤

都会の片隅でぼくたちは体育座りをしながら缶ビールを覗き込んで世界を見つめても

共に過ごす時、その時だけは、ぼくの漠然とした将来への不安を遥か彼方に連れて行くとはあなたには決して言わないよ

 

「ずっとこのままがいい」と呟いたコドモのあなたといつも冷静なオトナのあなた

 

 

 


あと、4分で起きなければ遅刻だと分かっていながら横で寝息を立てるあなたの背中を抱きしめ「このまま時が止まればいい」と密かに思い立ち上がる
眠気ナマコで立ち上がり施錠する為にぼくを見送るあなたの唇を塞ぎ、"行ってきます"と呟き背を向けながらいつものように左手をヒラヒラさせドアを開け放ち、階段を駆け下りる最中鍵が締まる音が反響する都会の一棟

 

 

何気ない日々の積み重ねでぼくたちは生かされていると思い知り駅の改札を通り抜けた

私の詞を聴いてくれ

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スズメのエサ程の僅かでも自分の紡いだ言葉でお金を戴くようになって2年余り。経験としてライターのお仕事やコラムなどを連載させてもらえたのは本当に嬉しいことです。会社でのお仕事が本業だけど、こちらのお仕事を細々と続けてて良かったと思います。この場所はそんな私の膨大なストックをただ気まぐれに載せてるだけです。子どもの頃から"君の文章は面白い"と、言葉だけを褒められ続けた私が言葉を紡ぐことを続けてこれて良かったなと最近尚更強く思うのです。これからも書いていきたいと思います。

夏の終わり

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自惚れか確かにあった愛を抱きしめ眠る夜

 

降りたはずなのに2人は街を見下ろして

 

気怠そうなあなたを煙草の煙で見つける

 

さよならしたの明日の私に

 

赤い地下鉄ぼくたちを連れ去って

 

腹を摘まれ憎まれ口を紡ぐ

 

悲しみが蠢いて意地悪な夜

 

名前も覚えていない罪深さ

 

忘れられた花束を

 

情けなく君の家で自ら踊る

 

きみの涙のわけは聞かないでおくよ

 

タクシー乗れば魂のハイウェイ

 

あなたと過ごすトーキョーの夏楽しかったわ

 

 

名前もないぼくときみの名前もない思い出

 

 

思い出出したら思い出になった

 

ただそこには愛しかなかったいつかのぼく

 

#ストック

歪み歪み

 

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「かねてより」という言葉は芸能人の結婚報告のコメントくらいでしか聞いたことがないよね
と、この状況で思えるくらいにはどこか余裕があるみたいだ。かねてより私は交際相手を触れない、触られたくない。「なんで?」と責められたくなくて先回りして逃げる。その後何か察した相手は去っていく、これで4度目になるのは目に見えている。
いつの間にか交際相手に対して"好きだと思うけど"という推量で相手と向き合うことしかできないのがクセになってしまったようだ。
だって、「愛してる」という言葉を消化できないんだもん。 という言葉を吐く代わりに寝たふりをする。このクセのお陰で寝たフリだけは上手くなった。寝たフリをしている横でがさごそという音を立てて誰かの腕が絡みつく、"寝たフリをしているから"払いのける。「ごめんね」そう思いながら瞼を閉じ続ける。手に入れば封を開けずそのまま紙袋を置きっ放しにするお買い物中毒の人のようだと思いながら瞼を閉じ続ける。瞼を閉じ続ければ朝はやって来る、愛に瞼を閉じれば終わりもやがてやって来るだろう。

 

寝てる横で「浮気しても分かるから、あなたは嘘をつけない人だから。浮気しないでね」という言葉を投げつけられ、私は咀嚼できない相手の思いを枕に吐き散らかす。「お前そういってるけど、俺お前の友だちと2ヶ月前から寝てるぞ」と言ったらお前はどんな顔をするのだろう。「お前の目は節穴だな」そういう言葉と共にお前の顔に唾を吐きつけたらどんな顔をするのだろう。"やかましい、めんどくさい"と思い「そんなことしないから安心して」とお得意の目がなくなるくらいの全力の笑顔を作って答えてみせる気力もない私は寝たフリを続ける。このクセを発症した私は別れ話切り出すのもめんどくさいから相手から別れ話を切り出すのを待っている。翌朝、別れ話を切り出され、青天の霹靂みたいな顔をして私は相手に縋り付いた、別れを受け入れられなくて、"愛してる"と言って。

 

その矛盾は、相手に愛情があるからじゃなくて、生活のリズムが狂うから。

どこまでも自分本位、自分勝手だよと開き直りたい気持ちを堪え縋り付く。

 

そして、やってくる現実=別れ

 

生活のリズムが狂うことに漸く慣れた頃、

1人にやっと落ち着く、だって元々好きでもない相手に勝手に好きになられて告白されて付き合うという無駄なことをして手を回してぶち壊すのが好きなの、子供がお人形の髪を切ったり足をもいだりするようにぶち壊すのが好きなの。「結局お前には元々興味なんかなかったんだよ、バーカ」そう、ほくそ笑んで次もまた、これが私の最大のお遊び、最大のストレスの解消。

 

 

歪み歪み、ゆがみひずみ

 


#即興 #小説

君がいない東京は少しつまらない

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6月我に革命起こりたり

 

裏切りと兆し混じる夏の始まり

 

浮気男と純情女の答え合わせ

 

倫理道徳は屑かごでぼくは子どもになる

 

走りだす夜景&夜警

 

振りほどいた手と虚無感

 

革命は過ぎ去りしトーキョー

 

胸骨丙の痛みを抱いた女

 

面倒くさいとめんどくさいの衝突

 

タバコの煙で泣く女

 

2人線香花火に灯した逃避行

 

ダンボールがかつての愛が飛び散る

 

最後の君との約束は決して守らない

 

触れるだけで涙がでてくる夜

 

気が向いたらかえっておいで

 

おとなにもこどもにもなれるぼくたちは

 

遠くの蝉夏の終わりを教えてくれ

 

ゴミ焼却場のような心で誰は泣く

 

中指立てる女抱き親指立てる

 

君は気まぐれまさに罪だって

 

ウォッカの瓶に映る故郷の川 

 

蜻蛉追いかけ位牌眺める新盆

 

君がいない東京は少しつまらない

 

#自由律 #俳句 #ストック

朝を前に

大人になったなと思う。
誰かとの関係性が終わってもそれを事実と思えるようになったから。
大人になったなと思う。
愛している人に「愛している」と言わずとも愛していると眼差しと行動で示せるようになってきたから。
大人になったなと思う。
愛している人の「愛している」と言う言葉でボロボロ泣いてしまったから。
大人になったなと思う。
「不安?」という言葉にカッコつけずに「うん」と言えたから。
大人になったと思う。
倒れてもすぐ立ち上がれたから。

 

#即興

真っ黒なカラスと

何処かで聞いた言葉で傷つけ合う朝

汗まみれの背中に爪を立て合う

太陽は登ったのか落ちたのか

自分が落ちたのか昇ってるのか

憎まれ口を叩く唇を噛み付かれ

余裕を持つカラスの余裕を奪う遊びに興じ

絞り出すような声で愛してると呟く

 

#散文詩 #即興詩