no title。

「もう無理だよ」何年振りかの何度目かの言葉。

 

 

その度に受け止め方は違う、憎しみあった10年前。「元気でな」と握手をして別れたサザンテラスは7年前。「ありがとう」とちょっと泣いた田端駅は4年前。

 

 

大小は関係なくとも悲しみは抱えることには変わりない。しかしながら受け止め方は変わってきた。階段を登っているのか降りているのか分からない日々の中で「好き」だと言う人、誰かへの強い想いを相談する人、目の前にある生ビール。様々な人たちの、モノたちの中でそう確かにわたしは生きていた、どれが本当?どれが嘘?そんなことはどうでもいい、ただどうなるのかはわからない日常を揺蕩うかの如くわたしは生きている、心で泣いて喚いても。

「人間が本当に覚えていられるものは苦痛の記憶だけかもしれない」

その言葉を否定する生き方を、いまのわたしならば、選択したい。

 

トーキョーと生きる

マリブコーク、テキーラ、総選挙
浮き出てる胸骨丙に感じる感触
今夜は誰だろう
タバコの煙で泣き出した女

鳴り止まないメッセージ
遠巻きで見ている誰か
TVでじっと見るフランス映画
都会の喧騒、これがわたしたちの日常です
何もわからないまま走りだす夜景&夜警
頭の片隅にいる女に中指を立てられたような気がした

 

#散文詩 

hostage

深夜深酒からどうしようもない事実を見つめる。

真っ暗な部屋 遠くの灯台の灯り 波の音 

理性を持ってしまったら負けという遊び。

 

ドキドキはしない、けれど安心感があるよ、

俺はそう思う。お前は?という答え合わせ。

息が上がっても答えは上がらない。

気がつけば駒込駅を発車する山手線、

何が真実何が嘘か分からず

アイスコーヒーを啜る。

36.8度がバレ背に爪を立てられた。

コンクリートジャングルトーキョー

深夜1時過ぎ、終電はとっくに過ぎ去りタクシーで帰ることしか選択肢がないゆったりとした時間に西新宿を歩く。幼少期1番近い都会が新宿だったからか、コンクリートジャングルトーキョーのカオスな街、新宿に強く憧れを抱いてる。品川のタワーマンション?勝どきのタワーマンション?いや、俺は西新宿に住みたい。そう思って生きてきた。

 

そんな中、1人でふと事実を見つめてみる。

 

時差と共にやってくる、気づいた時には、もう元には戻れない感情。何をしていても何をしていなくても湧き上がる感情、分からない、けど、分かっている、もう元には戻れないのだ。私の負けだと白旗を挙げたくても、挙げられず何も言えなくて煌びやかな都会の喧騒から離れる。3km歩いて後部座席から事実を思い返す。どうしようもない、どうしようもない人間だと顔を覆いたくなる、涙はでない、若輩者のくせに強くなったからか年を重ねたからか。

 

 

ただただ事実を受け入れるしか術ないことは分かっている、どこまで流れ行くだろう、ゆらゆら揺れて何処へ流れ着くのだろうか。数時間前の同期の掌が何か教えてくれるような気がした。

古き本開けば

家庭の事情で東京と愛媛を往復する回数がここ最近増えた。何もない田舎、街灯も少なく得体の知れない何かの鳴き声が川辺で反響する夜星が綺麗に見えるのが唯一の楽しみである。そんな滞在生活中、祖父母宅の書斎に私が高校時代に買ったであろう本が1冊あったので手に取った。後半のページから出てきたイギリス留学中に買ったポストカードと、折りたたまれた色褪せたプリント、事前調査、平成22年5月と日付が記されてる、薄っすらと見える黒インクで書かれた文字。身に覚えがなく開いてみる。

 

 

"愛してる。これで満足?"

 

小さな字、だが達筆な字で記された手紙。初恋の人からの手紙だった。どういう経緯で貰ったかは忘れたけど当時を少し思い出してしまった、プラトニックで親密な関係を築いた17歳の夏を思い出す。当時から常に強気で芯がしっかりしてる先輩で風の噂では自分の夢を叶えるべく異国の地で1人闘ってるそうだ。彼女と過ごした短い時間のお陰で今自分が執筆してる論文が存在してるし、進路も途中ぶれたけど振り出しに戻ってもう一度自分がやりたいことをやれる環境を手に入れることができた。確かに存在してた時間と経験のお陰で私は確実に成長できたであろう。あの頃に比べたら今はほんの少しは素直になれるようになったよ、身長6cm伸びたよ、しんどいこともあるけど確かに生きてるよ。

 

私は小さな手紙をゴミ箱に捨てた

「いつかもう一度君と出会いたいな、他人で。 」そんなことを思いながら、7年という歳月を経て吹っ切れた私が顔を出したのだろう。f:id:iamjin:20161203120650j:image

そろそろまた1年が終わる。

遠いように思われた春が来た。

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気がつけば月が変わっていた。

気がつけばモラトリアムのモラトリアムは終わろうとしている。

大体いつもそんな感じで月日は減っていく。

今回のモラトリアムのモラトリアムは常に動いていたから「一週間一週間が早い」とよく私は言っていたように思われる。働いて、勉強して、スーツを着て活動して、手を離さなきゃいけない人を手放したり、とっかえひっかえしたり、少し放浪してみたり、自分の中で抱えていた思いを酒で流したり、心奪われたり、笑ったり、ちょっと泣いてみたり、と激動的且つ思っていたより得られた物は沢山あったモラトリアムだと今は思う。

長い長い休暇は夢のようで色んな局面で酸いも甘いも経験できた。

啓蟄はとっくに過ぎ去り美しく咲いていた桜も気がつけばまた姿を消していた。長い冬は姿を消し、遠いように思われた春は訪れ、夏がやってくる、匂いが少しずつ強くなっていく日々の中で、正しい答えじゃなくて信じられるものはないだろうか。

These big black footwear Are walking me away.

「好きなタイプは?」

街で飲んでると頻繁にこんな質問をされる、飲んでいる街が街だからかそんなことをよく聞かれる。その都度は「年上の美人」と答えている、歴代の交際相手を思い出すと、大半が年上な美人だったから。
 
それにしても、変な話だ。合コンや街コン会場でもないのにいきなり好きなタイプは?とか聞く風潮なんて。
 
「モテそうだよね」「いやいや、本当にモテてたら今頃彼女いますよ」「彼女いそうだし、声掛けづらいしハードル高そうだからだよ〜」「あはは〜」
 
そんなやり取りを何度したことか。
 
「余裕がありすぎるから女の子怯むんだよ〜それに君は隙がなくて冷静すぎるんだよ。」そう見知らぬ女性にお酒を何杯もご馳走になり指摘されたのは何週間前の出来事だろう。
 
「もしまだ間に合うならやり直せないだろうか」と聞いてはぐらかされたのはいつの出来事だろうか。
 
「変えないでおくよ」と言ったボトルを捨ててスッキリしたのはきっといつかの出来事だろう。
 
"追いかけない、それが大人の流儀"だと言ったのはどの作家だっけ。 
 
「別れてまだそんなに経ってないけど引きずってないの?」という深夜の質問に「はい。もう疲れました。相手の無事と成功を祈るだけです。」と答えたのはきっと、こないだ。
 
「彼女募集中なの?」「自分と向き合えるようになり自分を支えられるようならない限りは無理かな」と答えたのは私の正直な気持ちで、その質問をしてきた人はどういう心理だったのだろう。
 
始発待ちの駅のホームのベンチで私の右肩にちょこんと頭を置いたその重みが啓蟄が近づいていることを知らせてくれた、今分かっていることはただそれだけ。
 
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