2016-01-01から1年間の記事一覧

古き本開けば

家庭の事情で東京と愛媛を往復する回数がここ最近増えた。何もない田舎、街灯も少なく得体の知れない何かの鳴き声が川辺で反響する夜星が綺麗に見えるのが唯一の楽しみである。そんな滞在生活中、祖父母宅の書斎に私が高校時代に買ったであろう本が1冊あった…

遠いように思われた春が来た。

気がつけば月が変わっていた。 気がつけばモラトリアムのモラトリアムは終わろうとしている。 大体いつもそんな感じで月日は減っていく。 今回のモラトリアムのモラトリアムは常に動いていたから「一週間一週間が早い」とよく私は言っていたように思われる。…

These big black footwear Are walking me away.

「好きなタイプは?」 街で飲んでると頻繁にこんな質問をされる、飲んでいる街が街だからかそんなことをよく聞かれる。その都度は「年上の美人」と答えている、歴代の交際相手を思い出すと、大半が年上な美人だったから。 それにしても、変な話だ。合コンや…

未知の世界に無知な俺が行く

最近会った人に「好きな場所に連れてってよ」とお願いをよくする。私のこの人生を振り返ると、型にはまった行動しかしていない。この街に来たらこの店とあの店へ。とか、お昼ご飯食べに来たらこの店のB定食だけを注文する。とか。冒険もせずに生きてることを…

シャイニーゲイになりたくて

急遽人と酒を飲む予定が出来て街へでた。 「あんた、今日はゲイっぽくないわね」と久しぶりにあった年上の友人は開口一番に言った。最後に会った時は夏で、あの時ピッチピチのTシャツに短パン、そしてニューエラのキャップというどっからどうみてもいかにも…

最後の行く末

「愛ってなんだと思う?」友人が真面目な顔をして私の目を真っすぐに見つめながら尋ねてきた。食べていたサンドウィッチを珈琲で流し込み「なんで私の聞くの?」と素朴な疑問をぶつける 「私が知ってるだけでも多くの人と付き合ってきたよね?だから何か分か…

ジオラマみたい

幼少期から母親が「懐かしい」といいながら偶に連れて行ってくれた特別な場所があった、それが飯田橋だった。先日授業終わりに今日は雲がひとつないくらいに晴れているから真っ直ぐ帰りたくなくてふらっと飯田橋へ足を運んだ、ふと足を運びたくなったのは幼…

怒るのやめました

1ヶ月前から怒ることをやめた。物に当たったり人にキツい言葉を浴びせることはしないけれど以前は日々何かしらにイライラして生きていたように思える。作業が遅くてイライラ、天気が悪くてイライラ、前に言ったことをなんであなたはまた聞くの?とイライラ。…

「きみ」と別れるために、そしていつか「きみ」と遠く、どこかで再会するために、「ぼく」は旅をする

あの感情。 単調な毎日を積み重ね生きる今でも五感をフル作動させて目の前の世界を味わっていたあの日のあの瞬間を何気ない瞬間にふと思い出す。17歳の春、大きなリュックを背負って一人タイはバンコクへ向かった。子どもの頃大人に将来の夢を聞かれ「旅人と…