向かい風

「あんたは他人に寄り添い優しさを与えることではなく、自分の感情を受け入れなよ」 確かに、あの都会の片隅で目の前の友人は私にハッキリと伝えた。 痛い所を突かれたなと思いつつも 『元気だから』と即座に否定をした。 「自分を受け入れたら精神崩壊する…

トーキョーには空がある

トーキョーの片隅で不可思議な2文字が蠢く トーキョーのこどもたちが踊っていた 触れたくなかった、覚えていたくない、 知りたくなかった、忘れたくない。 カメラを買うはずだったお金と したくないだらけは たった二人が片隅で息をすれば、全て絆されるとい…

さようなら、愛してる

文体が好きだという作家ないしはエッセイストは誰しも1人くらいは、いる。とわたしは信じている。 相変わらず狂ったように掃除をしているのだけれども、ただでさえわたしの本棚は必要最低限のモノしかなくなってしまったのに厳選に厳選を重ねてどんどん減ら…

君がいない東京は少しつまらない

裏切りと兆し混じる夏の始まり 浮気男と純情女の答え合わせ 革命は過ぎ去りしトーキョー 胸骨丙の痛みを抱いた女 面倒くさいとめんどくさいの衝突 タバコの煙で泣く女 2人線香花火に灯した逃避行 ダンボールがかつての愛が飛び散る 最後の君との約束は決して…

おやすみログ

5/21 雨 #自宅待機44日目 本日でこの投稿も終了でございます。思い返せば幼〜大と、お受験やら部活やらなんやらで1週間以上のまとまった休みを経験したことがない人生なので初めて長期休みを経験しました。休み方を学んだので今後はお休み上手になれることで…

That's all I have

ある事柄にハマってしまうことを"沼"と言う まさか、わたしが沼に陥るだなんて誰が予想しただろうか? 某刀の擬人化ゲームを、職場もプライベートも話のネタになるだろうというホストのような気持ちで始め、中途半端にやりたくないという気持ちもありぼちぼ…

いっそこの身を

「x'masから今日まで全くついてなくて可哀想」 その言葉に笑うこともできず寝っ転がり汚い空調を眺め燃え尽きていた。 ダンボールの雪崩に巻き込まれ年始初の労災で途中退場を決め込んだ。 哀れんだ同僚が私の腰と背中に湿布を貼ってくれた。会社の人間に背…

師が走る

「気になる…」と思ってたお店が 気がついたら違うお店になっていることはよくある。 午後の予定がなくなったし、錆び付いた脳味噌の為にも寿司でも食べようと思い、デパートのレストラン街に足を伸ばしたが想像よりレストラン街は賑わっていた。限界値まで上…

MADE IN

「うわっ、似合わねぇ」 と、鏡の前で30900円(抜)のパーカーを試着した私は思わず声に出してしまった。ドアからはコンコンという音と「サイズどうですか?」という店員さんの声が聞こえる。ドアの外では連れが待っていたというのもあり、羞恥心を抱きながら…

可惜夜

疲れたと零すコンクリートジャングル人間1匹。 日付が変わり12月6日。 また電車は遅延、時刻は違えど5年前と同じ。 終電で帰る気は失い、今日は珍しくミネラルウォーターで歩きたくなった。 歩き始めてすぐに尻に振動 ほろ酔い故の気のせいか、仕事のメール…

分かったこと。

数時間の仮眠後に目を覚ますと、気だるそうにソファに腰をかけて煙草を吸いながら空を見上げていた。「君、一度寝たら中々起きないタイプなんだね」そんなことを言われた気がする。「嗚呼」寝起きの声で応える。「11時まで君は寝ていなよ」「いいんだ」そう…

西端にて

逃亡劇を止めよう。と自然に思ってから「明後日戻ります。」と母に報告するまで時間はそうはかからなかった。タイムリミットまで私はひたすら歩き続けた、工業地帯の煙突から留まることなく排出される白煙が風に揺れる様を見つめながら私は目的もなく歩き続…

思えば、遠くへ来たものだ。

「まさか、こんなに」私は急斜面の石段を登りながら自身に絶望していた。たった1年で体力が恐ろしい程に低下していることが身にしみてわかったからだ。御本宮までの785段、まだ一ノ坂に到達だけなのに、もう息が上がっていた。1年ぶりのこの地は相変わらず私…

まんのう公園の夜明け

目が覚めるとトタン屋根がけたたましく音を立てていた。 土砂降りなことは分かっていた、昨日家を出る前に天気予報をチェックした際 降水確率100%だったから。 枕元に置いていたスマートフォンに手を伸ばし時刻を確認する、AM4時53分 眠りに落ちる前に連絡を…

DEFECTOR.

社会人2年目間近に私は脱落した。会社に行けなくなってしまったのだ。 絞り出すように「辞めます。」とボスに言ったのは 通算3回 「体調崩してるからナーバスになっているだけだよ」と言わんばかりの制止で今。元上司から「風の噂で聞いたけど…」と生存確認…

"2018年になってしまった"なのか"2018年がやってきた"なのか。カウントダウンをクラッカーの音と周りの歓喜の声で迎えたが、相変わらず日付感覚が曖昧なまま1人取り残されたかのような気持ちで歓喜のムードに酔いしれていた。 2017年は社会人デビューイヤー…

憎たらしさに呆れ

「仕事行きたくない」突然俺の上に乗った女は困った顔で駄々をこねる子どものようなことを言い始めた。これがお互い裸であったら官能的なワンシーン間違いなしだが、残念ながら違う。お互い着衣のままである。年季が入っているからか沈みがちなベッドに横た…

駆け抜ける

あなたが好きなあなたに似たキャラクターのマグカップをたまたま出先で見つけ包装して貰ったあと、駆け込んだ雑貨屋で小さな封筒とカードを買って"今年の夏は楽しかった"と記したら鼻で笑ったあなた 憎まれ口叩きながらもマグカップを使ってくれているあなた…

ゼロになって、ちゃんともがく

目を覚ますと午前5時、シングルベッドの横で寝息を立てる家主、顔を両手でぴったり覆っていなければ眠れない家主の癖に気づいた早朝。 以前来た時に家主に「タバコを吸うならベランダで吸え」と言われたことを思い出し、アンダーウェア1枚の姿で慣れた手つき…

no title。

「もう無理だよ」何年振りかの何度目かの言葉。 その度に受け止め方は違う、憎しみあった10年前。「元気でな」と握手をして別れたサザンテラスは7年前。「ありがとう」とちょっと泣いた田端駅は4年前。 大小は関係なくとも悲しみは抱えることには変わりない…

トーキョーと生きる

マリブコーク、テキーラ、総選挙浮き出てる胸骨丙に感じる感触今夜は誰だろうタバコの煙で泣き出した女 鳴り止まないメッセージ遠巻きで見ている誰かTVでじっと見るフランス映画都会の喧騒、これがわたしたちの日常です何もわからないまま走りだす夜景&夜警…

hostage

深夜深酒からどうしようもない事実を見つめる。 真っ暗な部屋 遠くの灯台の灯り 波の音 理性を持ってしまったら負けという遊び。 ドキドキはしない、けれど安心感があるよ、 俺はそう思う。お前は?という答え合わせ。息が上がっても答えは上がらない。 気が…

コンクリートジャングルトーキョー

深夜1時過ぎ、終電はとっくに過ぎ去りタクシーで帰ることしか選択肢がないゆったりとした時間に西新宿を歩く。幼少期1番近い都会が新宿だったからか、コンクリートジャングルトーキョーのカオスな街、新宿に強く憧れを抱いてる。品川のタワーマンション?勝…

古き本開けば

家庭の事情で東京と愛媛を往復する回数がここ最近増えた。何もない田舎、街灯も少なく得体の知れない何かの鳴き声が川辺で反響する夜星が綺麗に見えるのが唯一の楽しみである。そんな滞在生活中、祖父母宅の書斎に私が高校時代に買ったであろう本が1冊あった…

遠いように思われた春が来た。

気がつけば月が変わっていた。 気がつけばモラトリアムのモラトリアムは終わろうとしている。 大体いつもそんな感じで月日は減っていく。 今回のモラトリアムのモラトリアムは常に動いていたから「一週間一週間が早い」とよく私は言っていたように思われる。…

These big black footwear Are walking me away.

「好きなタイプは?」 街で飲んでると頻繁にこんな質問をされる、飲んでいる街が街だからかそんなことをよく聞かれる。その都度は「年上の美人」と答えている、歴代の交際相手を思い出すと、大半が年上な美人だったから。 それにしても、変な話だ。合コンや…

未知の世界に無知な俺が行く

最近会った人に「好きな場所に連れてってよ」とお願いをよくする。私のこの人生を振り返ると、型にはまった行動しかしていない。この街に来たらこの店とあの店へ。とか、お昼ご飯食べに来たらこの店のB定食だけを注文する。とか。冒険もせずに生きてることを…

シャイニーゲイになりたくて

急遽人と酒を飲む予定が出来て街へでた。 「あんた、今日はゲイっぽくないわね」と久しぶりにあった年上の友人は開口一番に言った。最後に会った時は夏で、あの時ピッチピチのTシャツに短パン、そしてニューエラのキャップというどっからどうみてもいかにも…

最後の行く末

「愛ってなんだと思う?」友人が真面目な顔をして私の目を真っすぐに見つめながら尋ねてきた。食べていたサンドウィッチを珈琲で流し込み「なんで私の聞くの?」と素朴な疑問をぶつける 「私が知ってるだけでも多くの人と付き合ってきたよね?だから何か分か…

ジオラマみたい

幼少期から母親が「懐かしい」といいながら偶に連れて行ってくれた特別な場所があった、それが飯田橋だった。先日授業終わりに今日は雲がひとつないくらいに晴れているから真っ直ぐ帰りたくなくてふらっと飯田橋へ足を運んだ、ふと足を運びたくなったのは幼…